B型とO型だけのガールズバンド
日本人女性5人のバンド「プリンセス プリンセス」をご存じでしょうか。
Wikipediaで彼女たちのプロフィールを見て、驚いたことがあります。5人のうち3人の血液型がB型で、残る2人がO型だったのです。
ご存じのとおり、日本人はA型の人が最も多く、約4割を占めます。一方、B型は約2割しかいません。したがって、多数派のA型が1人もおらず、逆に少数派のB型が5人中3人という組み合わせは、かなり珍しいのではないかと思ったのです。
B型3人+O型2人となる確率は?
というわけで、日本人の中から無作為に5人を選び出した場合、B型3人+O型2人となる確率がどのぐらいなのかを計算してみました。ただし、それぞれの血液型が選ばれる確率は次のとおりであるとします。
A型 :0.4
B型 :0.2
O型 :0.3
AB型:0.1
すると、計算は次のようになります。
つまり、約0.7%となりますね。やはり、「B型が3人でO型が2人」という組み合わせは、日本人のグループとしては、かなりユニークであることがわかります。
「B型が3人でO型が2人だから、0.2^3×0.3^2というところまでは分かるけど、5C2なんて必要ないのでは?」
と思った方は、いないでしょうか。
残念ながら、その考え方は正しくありません。0.2^3×0.3^2では、次のような組み合わせになる確率を計算したことになってしまいます。
ボーカル:B型
ギター:B型
ベース:B型
キーボード:O型
ドラムス:O型
私たちが知りたいのは「B型が3人、O型が2人選ばれる確率」です。したがって、「プリンセスプリンセスと同様、ボーカルとキーボードだけがO型」「ギターとベースだけがO型」など、考えられるすべての組み合わせを計算に入れなければなりません。
では、「○○と××だけがO型で、他はB型」という組み合わせは、全部で何通りでしょう。
そうです。5種類の担当から2種類を選ぶ組み合わせを計算すればよいのですから、5C2通りですね。
このようなわけで、計算式は、0.2^3×0.3^2×5C2となるのです。
A型3人+O型2人となる確率は?
一方、2016年に解散したSMAPと同様、A型3人+O型2人という組み合わせになる確率は、どのぐらいになるでしょう。A型は約4割、O型は約3割ですから、かなりの高率になりそうですね。
計算してみると、次のようになります。
つまり、約5.8%となります。17グループのうち1グループがこの組み合わせになるわけですから、やはり、かなりの高率ですね。
ちなみに、この確率は、B型3人+O型2人のちょうど8倍です。
(0.0576÷0.0072=8)
これは、考えてみれば当たり前の話です。A型はB型のちょうど2倍なのですから、「A型3人+O型2人となるのは、B型3人+O型2人となる場合の何倍か」ということを知りたいだけだったら、
2^3=8
と計算したほうが簡単でした。
素朴な疑問
ここまで読んで、次のような疑問を感じた方は、いないでしょうか。
B型が選ばれる確率は、1人目、2人目、……、5人目で、それぞれ異なるはず。
日本の人口をx人、そのうちB型がb人だとすると、
1人目がB型となる確率はb/x、
その前提のもとで、2人目がB型となる確率は(b-1)/(x-1)。
つまり、この計算の仕方は、おかしいのでは?
結論から言いますと、そこまで厳密に考える必要はないと思います。
たしかに、xとbがかなり小さい場合(たとえばx=10、b=2)は、
b/x=2/10=0.2
(b-1)/(x-1)=1/9=0.111…
となりますから、前項のような計算の仕方は不適切です。
しかし、2018年1月1日現在、日本の人口は、約1.27億人(総務省統計局発表)ですから、b/xと(b-1)/(x-1)の差は、無視できるレベルと考えてよいでしょう。